「エフォートレス思考」の読書感想文です。
「エフォートレス思考」という本を読みました。
こちらは、抜本的な時間の使い方の変革を説いた、ベストセラー「エッセンシャル思考」の続編となります。
読書後の感想と、自分自身の行動をどう変えていきたいかをまとめました。
「雑事に追われて大事なことに着手できない」「会社での注力施策が進められない」というお悩みをお持ちの方に是非オススメしたいなと思います。
既に読まれた方も、これから読もうかなと思われていた方も、是非ご参考いただければと思います!
エッセンシャル思考との位置づけ
著者がこの本を書いた理由は、前著のエッセンシャル思考を自ら実践していたものの、それでも時間が足りなくなってしまったため、です。
エッセンシャル思考のポイントは、STEP1:本質的なものを見極め、STEP2:それ以外のものに全てNOと言う、ということです。
つまり著者は、本質的なものにだけ取り組んでいるはずなのに、時間が足りなくなってしまったということです。
その理由は、本質的なものの数が多すぎたからです。
そのため「本質的なもの」を効率的に取り組むための手法が必要だと考え、それが今回の「エフォートレス思考」と言うことになります。
なお、ここまでで「エフォートレス思考」の前に、「エッセンシャル思考」を優先的に取り組むべきだ、と言えるかと思います。
著者の本来の想定読者は「(著者自身のように)エッセンシャル思考を実践しているけど、それでも時間がない人」となるためです。
実はハイレベルクラスの人向けに書かれた本なんですね。ハードルが高い・・・。
私はこの本の全編を通じて、会社組織の「注力施策」がうまく進まない理由、が色々と思い浮かびました。
「注力施策」と言うぐらいなので、エッセンシャル思考で言うところの「STEP1:本質的なものを見極める」はされているものの、「STEP2:それ以外のものに全てNOと言う」がやりきれていないケースが多いと思います。
そのため、注力対象ではない顧客・商品の対応に多大な時間を取られて、注力施策である重要な顧客・商品の戦略を進める時間がなくなっているのです。
この本の内容ではありませんが、「計画のグレシャムの法則」というものが有り、人は少し先の大事なことよりも、目の前の雑事のほうに時間を取られてしまいがちです。
大きい組織だとなかなかスパっとはいかないことは分かりますが、少なくとも個人の業務レベルでは意識したいところですね。
エフォートレスな精神
ここから、今回の「エフォートレス思考」の内容となります。
まずは、「エフォートレスな精神」ということで、「エフォートレス思考」を実践する上で必要なマインドセットが説明されています。
すなわち、「頑張らなければ成果は出ない」「楽をするのは悪いこと」という思い込みの否定です。
この章では「もっと簡単な方法はないか」「もっと楽しく出来ないか」と常に考えることが大事だと分かります。
仕事で言うと、「一番良いビジネスは簡単で重要な問題に応えること」とされています。
「会社組織の注力施策がうまく進まない理由」のパート2として、「全面戦争的な発想をしている」「注力施策と言う理由で社員に多大な負荷を与えている」ということがないでしょうか。
「全面戦争的な発想をしている」に関しては、孫子の戦略論にある「一番重要なことは戦闘を避ける方法を考えること」という教えにも反しています。
「極力頑張らずに成果を出せる領域を探す」ということを第一優先に考えるべきでしょう。
次に、「注力施策と言う理由で社員に多大な負荷を与えている」ですが、例えば複雑な進捗表の管理や、上層部への定期報告会(いわゆる詰め会議)、などがそれに当たるかと思います。
「もっと簡単に出来ないか?」「もっと楽しく出来ないか?」ということを、常に見直すべきでしょう。
「最小努力の法則(=人はより簡単な方に流れていく)」という人間の性質を、組織を束ねるマネージャーは十分に理解する必要があるなと思いました。
「頑張らずに楽しく仕事をする(させる)!」
実践していきたいです。
エフォートレスな行動
次は、「エフォートレスな行動」ということで、行動を取り組みやすくするための方法が説明されています。
行動を「軽く・早く・簡単に」するための方法、と言えるかと思います。
ここでは私が実際に仕事に取り入れた、以下3点の実例をご紹介したいと思います。
- ゴールを明確にして手戻りを減らす
- ToDoリストではなく今日の完了リストを作成する
- 最低限必要なステップを抽出する
ゴールを明確にして、手戻りを減らす
これに関しては既に仕事でもある程度実践出来ているなと思い、読みながら嬉しく思っていました。
特に資料作りで意識をしているのですが、何らかの資料作成を依頼されたときには、すぐに資料を作り始めるのではなく、最初にテキストだけの1~2枚程度の資料でシナリオを作成し、上司と認識合わせをしています。
多少の修正は入りますが、これをやることでかなり手戻りを減らせているという実感がありますので、是非ご参考いただければなと思います。
ToDoリストではなく今日の完了リストを作成する
完了リストとは、ToDoリストの中からその日に終わらせるものだけを抽出したリスト、と言えます。
私はバレットジャーナルを実践しているのですが、早速その日のページ(デイリーログ)には完了リストを記載するように変更しました。
なおToDoリストは、月の初めに用意するマンスリーログのページにスペースを取っております。
これにより、その日にやるべきことが明確に意識されますので、脱線しそうになってもリストを見ることで集中力を取り戻すことが出来ます。
また、完了リストを全て終えることで「今日の仕事が終わった!」という充実感をしっかり得られるようになりました。
バレットジャーナルに関しては別の機会にご紹介したいと思います
最低限必要なステップを抽出する
こちらは「会社組織の注力施策がうまく進まない理由」パート3としてご説明したいと思います。
注力施策を進めるとなると、たくさんのステップに分かれた非常に詳細な計画を立てるように指示をされがちです。
ステップは多くて細かいほど良い、と言う思い込みからそのようになっていると思われます。
ステップが多くて混乱しているプロジェクトがあれば、一度ゼロから見直して、本当に必要なステップは何なのか、ということを検討し直す必要があるかと思います。
人事異動などでメンバーが変わると、前の人がやっていたから、という理由だけでその仕事をしているケースもありますので、適宜見直しを入れる必要があるでしょう。
私としては、「ステップを全て洗い出す」ということは正しいと思っているのですが、「ステップの数が少ないほど良い」という考えは持っていなかったので、今後実践していきたいと思っております。
エフォートレスのしくみ化
最後に「エフォートレスのしくみ化」ということで、エフォートレスな行動を継続するための方法について書かれています。
ここでは、「累積的な」効果をもたらす行動を選択するべき、と言うことが書かれています。
「累積的な」の反対の意味としては「直線的な」という言葉が使われています。
例えば、ちょっと気になったことを調べてすぐに忘れてしまった場合、それは「直線的な」知識とされますが、原理原則を学んで様々な場面で応用が効くような勉強をした場合、それは「累積的な」知識とされます。
実行したことに対して「瞬間的・限定的」な結果しか得られないことが「直線的」で、「永続的・広範囲」な結果を得られることが「累積的」と言えるかと思います。
これは人生のあらゆるシーンで意識していきたいなと強く思いました。
「一生物の知識を身につける」「自分だけではなく他の人にも出来るようにする」「自分がいなくても勝手に回る仕組みを作る」「他人と信頼関係を構築する」「ミスを予防する施策を打つ」、これらは全て累積的な効果を生む物で、時間的価値の非常に大きい物と言えます。
「会社組織の注力施策がうまく進まない理由」パート4(最後)として、その施策の推進役がいなくなると、その施策がパタリと進まなくなってしまうということが起こりがち、ということが挙げられます。
理由は、その推進役の人が頑張った時にしかその施策が進まないから、です。
これは、「直線的」な取り組みとなってしまっている状態で、「累積的」な状態にするためには、推進役がいなくても回る状態を作る必要があると言うことです。
そのために、推進役はその施策を進める上での重要なポイントを、シンプルにメンバーに伝えておかなければなりません。
「シンプルに」というのがポイントで、複雑なことは人に伝播していかないので、本当に大事なことだけに絞って、全員が同じ認識を持てるようにする必要があります。
これにより、その推進役の人が頑張っていない間にも、その施策を他のメンバーが同時並行で進めてくれるという「累積的な」状態に出来ます。
まとめ
感想・取り入れたいと思ったことをまとめると以下となります。
- まずはエッセンシャル思考を優先してやるべき
- 「簡単にできないか」「楽しく出来ないか」と常に考えるべき
- 必要なステップのみを抽出して、集中して取り組むべき
- 累積的な効果を生む行動を選択するべき
いかがだったでしょうか?
「会社の注力施策が進まない理由」という視点も加えて、感想文とさせていただきました。
実際に私の意識・行動を良い方向に変えてくれたきっかけとなる部分も多数ありましたので、是非ご興味をもたれたら、一度読んで見ていただければなと思います。
それでは、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
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